本社所在地:大阪府大阪市中央区難波5丁目1番60号
設立:1948年(昭和23年)3月1日
代表:代表取締役会長兼CEO 会長執行役員 鈴木博之
業種:鉄鋼業(製造業)
従業員数:2,599名(2026年3月期 連結)
部署・役職・ご担当者氏名:
管理部門管掌 常務執行役員 石松 伸一様(右)
人事総務部 係長 梶野 恵以子様(左)
(取材日:2026年4月)
事業領域の拡大や環境変化への対応に伴い、従来の同質的な組織では新たな価値創出が難しいという課題を抱えていた。特に、部門や役職を超えて意見を発信し、自ら考えて行動できる次世代リーダーの育成が急務となっていた。また、男性比率の高い環境の中で、多様な視点を取り入れた意思決定を実現するためには、女性活躍を含めた人材の多様化が不可欠であり、女性社員が主体的に挑戦しキャリアを広げられる環境づくりが求められていた。
外部学習の導入
異業種交流による刺激を目的に、女性幹部育成プログラム(WAP)を導入し、多様な価値観に触れる機会を創出
人材変革の狙い
自社の常識を客観視し、主体的に考え行動できるリーダーシップの育成を目指した
職場環境の改善や女性の活躍領域拡大などの施策を進める一方で、社内だけでは育成機会や視野に限界があるという認識に至った。そこで、異業種交流を通じた外部での学びに着目し、女性幹部育成プログラム(WAP)を導入。対話やグループワークを中心とした研修を通じて、多様な価値観に触れる機会を提供した。これにより、自社の常識を客観視し、主体的に考え行動する力やリーダーシップを育むことを目指した。
異業種交流を通じて、自社の常識を客観的に捉える視点や主体的に行動する姿勢が醸成された。
<プログラム参加後の変化>
研修を通じて、参加者は多様な視点を受け入れる力や主体的に考える姿勢を身につけ、論理的に提案できる力や行動力の向上が見られた。また、対話を重視した学びは社内研修にも活かされ、参加型の研修設計へと転換が進行。さらに、受講者同士のネットワーク形成により継続的な学びの機会も創出された。
今後は女性に限らず、全社員が主体性を発揮し活躍できる組織づくりを目指し、多様な人材の育成とキャリア支援を強化していきたい。
鋼管メーカーとして国内外で事業を展開する丸一鋼管株式会社。同社では近年、「人を育てる文化づくり」を軸に人材育成施策を強化し、女性活躍推進や次世代リーダー育成に力を入れています。その背景には、激しい時代変化に対応するため、社員一人一人が主体的に考え、意見を発信できる組織づくりの必要性がありました。多様化・複雑化する経営環境の中で求められるのは、自ら考え、対話し、周囲を巻き込みながら行動できるリーダーの存在です。
今回は、常務執行役員の石松様と人事総務部 係長の梶野様に、女性幹部育成プログラム(WAP|Women’s Advanced Program※以下WAP)導入の背景や、対話型研修による組織変化、今後目指す人材育成のあり方について詳しくお話を伺いました。
石松氏:当社は鋼管メーカーとして、建築・インフラ・自動車・産業機械など、幅広い分野で使用される鋼管製品を製造・販売しています。既存事業の強みを活かしながら、新たな価値創造や事業領域の拡大に取り組んでいます。単に“今まで通りのものを作る”だけではなく、「どんなニーズがこれから生まれるのか」「どんな課題解決ができるのか」を考えていかなければならない時代になっています。そのためには、従来のような同質的な組織だけでは、新たな価値創造や事業領域の拡大に対応していくことが難しくなってきていると感じています。多様な視点を持った人材が、自分の考えを発信し、アイデアを出し合える組織に変わっていく必要があると感じています。
石松氏:近年、事業環境が大きく変化する中で、人材育成や次世代リーダー育成の重要性が一層高まっていると感じていました。海外展開においても、単に英語が話せるかどうかではなく、「探究心があるか」「相手の中に入り込もうとする姿勢があるか」を重視しています。特に、これからの組織運営においては、多様な視点を取り入れながら意思決定を行うことが欠かせません。そのためには、役職や部門を超えて意見を発信し、自ら考えて行動できる人材を増やしていく必要があると考えています。
石松氏:鋼管メーカーという事業特性もあり、現状は男性社員の割合が高い組織ですが、今後の事業成長を考えたとき、多様な視点を経営や組織運営に取り入れていくことが不可欠だと考えていました。これまで当たり前だと思っていた考え方や意思決定も、女性社員を含む多様な人材の視点が加わることで、新たな気づきや発想が生まれます。変化の激しい時代だからこそ、社員一人一人が活躍できる組織づくりが重要だと感じていました。また、将来的に経営や組織運営を担う人材を育成していく上でも、女性社員が自らの可能性を広げ、主体的に挑戦できる環境を整えていく必要があると考えていました。

石松氏:女性社員がより活躍しやすい環境づくりに向けて、ハード面・ソフト面の両方からさまざまな取り組みを進めてきました。例えば工場では、作業工程や職域を見直し、女性が活躍できる領域を広げてきました。空調設備の導入など労働環境の改善を進めるとともに、社員一人一人が安心して働き、能力を発揮できる職場環境づくりにも取り組んでいます。これは女性社員に限った取り組みではなく、全ての社員が働きやすい職場を目指したものです。また、ベトナムなど海外拠点で活躍する女性社員を、企業内転勤制度を活用して日本の工場へ受け入れる取り組みも行っています。異なる文化や環境で経験を積んだ人材と共に働くことで、本人の成長はもちろん、受け入れる側の社員にとっても新たな気づきや刺激につながっています。
石松氏:一方で、社内だけでは経験できることや出会える人に限りがあります。将来の女性管理職や女性リーダー候補には、自社とは異なる業界や立場の方々との交流を通じて視野を広げ、自分自身の可能性に気づいてほしいという思いがありました。そうした中で、社内だけでは得られない刺激や気づきを通じて、当事者意識やリーダーシップを育む場が必要だと感じていたときに、パソナHRソリューションの女性幹部育成プログラム(WAP)を知りました。
石松氏:社内でもさまざまな取り組みを進めていましたが、どうしても社内だけでは経験や視野に限界があります。そのため、異業種で活躍する方々との交流を通じて、新しい視点や考え方に触れてほしいという期待がありました。さらに、研修で学んだ知識だけで終わるのではなく、他社の参加者とのつながりができることにも大きな価値を感じていました。同じような課題意識を持つ仲間とのネットワークは、受講後も本人の成長を支える財産になると思ったからです。
石松氏:これからの時代は、与えられた仕事をこなすだけではなく、自ら課題を発見し、周囲を巻き込みながら行動できる人材が求められます。将来の女性管理職や女性リーダー候補には、異業種の参加者との交流を通じて、自社の常識を客観的に捉えたり、自分自身の強みや可能性に気づいたりする機会にしてほしいと考えていました。また、役職や立場に関係なく、自分の意見を持ち、主体的に発信できる人材へと成長するきっかけになればという期待もありました。

梶野氏:人事として研修を企画することになりましたが、「どのような研修が人材育成につながるのか」を模索しているタイミングでもありました。そのような中で女性幹部育成プログラム(WAP)への参加を勧めていただき、参加することになりました。
実は、私自身、このような社外研修に参加するのは初めての経験でしたが、非常に多くの学びを得ることができました。それまで私は、研修というと「講師が知識を教える」というイメージを持っていました。しかし、女性幹部育成プログラム(WAP)では、講師が一方的に話すだけではなく、参加者同士の対話やグループワークを通じて、自分自身で考え、気づきを得る機会が数多くありました。異なる業界や職種で活躍されている方々と意見交換をする中で、「そんな考え方があるのか」「その視点はなかった」と感じる場面が多く、自分自身の視野が大きく広がったと感じています。
梶野氏:特に印象的だったのは、参加者同士が対話を重ねることで学びが深まるということです。宿泊を伴うプログラムでもあったため、異業種で活躍する参加者同士が研修時間外も含めてじっくり交流できる環境がありました。グループワークや交流の時間を通じて、それぞれの考え方や価値観に触れることができました。「この人のこういうところが素晴らしい」「自分ももっと頑張りたい」と刺激を受ける場面も多く、人とのつながりそのものが大きな学びになりました。
梶野氏:大きな変化があったと思います。以前は、何か課題に対して「正解を出すこと」が大切だと考えていました。しかし女性幹部育成プログラム(WAP)に参加して、人によって感じ方や考え方、気づきはそれぞれ異なり、その違い自体に価値があるのだと気づきました。必ずしも一つの正解があるわけではなく、多様な視点を認め合いながら考えることの大切さを学んだと感じています。現在は新入社員との面談を行う機会もありますが、以前よりも本人が自ら答えを見つけられるような対話を意識するようになりました。「こうした方がいい」と教えるのではなく、「自分はどうしたいのか」「これからどう成長したいのか」を本人自身が考えられるような関わり方を心掛けています。
梶野氏:研修での経験を、自社の研修企画にも活かしています。実は、これまで「研修=面倒なもの」という受け止め方をされることも少なくありませんでした。アンケートを実施しても回答率が低かったり、参加者の反応があまり良くなかったりと、研修の運営に難しさを感じる場面もありました。
一方で、女性幹部育成プログラム(WAP)では、講師が一方的に知識を伝えるのではなく、参加者同士の対話やグループワークを通じて、自ら考え、気づきを得るプロセスが重視されていました。その体験を通じて、「研修は知識を教える場ではなく、人が成長するきっかけをつくる場なのだ」と感じました。そこで自社研修でも、グループワークや対話の機会を増やし、参加者同士が考えを共有できる設計を意識するようになりました。その結果、「楽しかった」「さまざまな人と話すことで新しい気づきが得られた」といった声をいただく機会が増え、研修に対する前向きな反応も少しずつ増えてきていると感じています。
梶野氏:弊社はどちらかというと職人気質の文化があり、「背中を見て覚える」という考え方が根付いていましたが、これからの時代は一人一人の成長やキャリアに寄り添うことも重要だと感じています。実際に若手社員と話をすると、自分の将来やキャリアについて考えたいと思っている人は多くいます。一方で、それを相談したり考えたりする機会はまだ十分ではありません。私自身も、社員一人一人が自分らしいキャリアを描けるよう支援できる存在になりたいと考えており、現在はキャリアコンサルタント資格の取得にも挑戦しています。今後は研修企画だけでなく、社員のキャリア形成や成長支援にも携わりながら、人を育てる文化づくりに貢献していきたいと思っています。
石松氏:当初は、同じような業界や職種の方と学ぶ方が共通の課題を話しやすいのではないかという思いもありました。しかし実際には、異なる業界や立場の方々と対話することで、自社の常識を客観的に見つめ直す機会になったと感じています。
特に女性幹部育成プログラム(WAP)参加後は、主体的に考え行動するようになったと感じています。その中でも、物事を整理しながら論理的に提案できるようになったことは大きな成長だと思います。研修で学んだ内容や他社参加者との交流を通じて、「なぜ必要なのか」「どのような効果を期待するのか」を、根拠を持って説明できるようになりました。

石松氏:事業環境が複雑化する中で、これまで以上に多様な視点を取り入れながら意思決定していくことが重要になると考えています。以前のように、限られた人の経験や判断だけで正解を導き出せる時代ではありません。変化が激しく複雑な時代だからこそ、一人一人が自分の考えを持ち、意見を発信しながら議論を重ねていくことが重要だと思っています。そのためには、単に知識やスキルを身に付けるだけではなく、課題に対して主体的に向き合い、自ら考え行動できる人材を増やしていく必要があります。
女性幹部育成プログラム(WAP)もその一つですが、今後は女性社員に限らず、多様な人材がリーダーシップを発揮できる環境づくりを進めていきたいと考えています。また、リーダーシップとは役職者だけに求められるものではありません。自分の仕事や組織に当事者意識を持ち、より良くするために行動することもリーダーシップだと思っています。今後も、人材育成や女性活躍推進施策を通じて、自ら考え、発信し、挑戦できる人材を増やし、組織全体の成長につなげていきたいと考えています。
石松氏:企業研修というと、特定のスキルやノウハウを学ぶものが多いかもしれません。それらももちろん重要ですが、私はそれ以上に「どのような人と出会うか」が大切だと考えています。女性リーダー育成や女性管理職育成において、女性幹部育成プログラム(WAP)の価値は単に知識を学ぶことだけではありません。特に大きいのは、異業種で活躍する参加者同士が継続的なつながりを築けることです。
そうした関係性が受講後も続いていくことは、社内だけでは得られない貴重な価値だと思います。また、自社では初めて取り組む課題であっても、他業界ではすでに経験している企業があるかもしれません。対話型研修ならではのグループワークや参加者同士の対話を通じて、多様な視点や考え方に触れられることは、新たな発想や課題解決のヒントにもつながると思います。