
本社所在地:東京都中央区銀座1-15-6 銀座東洋ビル4階
設立:2014年7月
代表:取締役社長 塚本モニカ
業種:エステティック事業(ラ・パルレ)、化粧品・健康食品・美容機器の販売
従業員数:179名(2026年1月時点)
部署・役職名:取締役 人事部長
ご担当者氏名:花井 康時様
※写真左:「ラ・パルレ」サロンフロント
(取材日:2026年8月)
ラ・パルレでは、これまで社内トレーナーが新入社員向け研修を合宿形式で実施していた。即戦力育成を目的に技術や接客スキルの習得を重視していましたが、その一方で、人としての土台づくりや主体性の育成には課題を感じていた。技術だけではない人材育成の必要性があった。
新入社員研修の見直しにあたり、ラ・パルレでは「人間力」や「主体性」を育むことを重視。社内教育だけでは得られない第三者視点や、自ら考え行動することを促すカリキュラムに共感し、パソナHRソリューションの研修を導入。
<実施内容>
研修後は、自分の意見を発言する場面が増え、主体的に行動する姿勢が見られるようになった。グループ合同の入社式では、新入社員一人一人の返事や立ち居振る舞いに変化が表れ、役員から「今年の新卒は違う」という声が上がるなど、目に見える成果につながった。
<研修後の変化>
技術だけでは、お客さまから選ばれ続ける人材は育たない。全国でエステティックサロン「ラ・パルレ」を展開する株式会社ニューアート・ヘルス&ビューティーでは、2026年度より新入社員研修の内容を見直し、接遇や社会人基礎力の習得に重点を置いた新たな研修を導入しました。背景にあったのは、「人としての土台づくり」を重視する人材育成への考え方です。
今回は、取締役 人事部長の花井様に、研修導入の背景や成果、そして人材育成への思いについて伺いました。
ラ・パルレは、全国にエステティックサロンを展開する美容サービスブランドです。40年以上の歴史を持つブランドとして、多くのお客さまの「美と健康」をサポートしてきました。
今回お話を伺った花井様は、人事・採用・教育領域を担当する責任者です。これまで建設業界や通販業界を経てエステ業界に入り、採用、人材育成、教育、人事、CS(顧客満足)部門など幅広い経験を重ねてきました。現在も人材育成を重要な役割として担っています。
「エステティック業界は技術力が注目されがちですが、本当に大切なのはホスピタリティです。技術は練習によって身に付きますが、お客さまを思いやる気持ちや人間力は自然には育ちません」
そう語る花井様は、人材育成において「人としての土台」を何より大切にしているといいます。
花井様は、これまで長年にわたり接客業の人材育成に携わってきました。その中で強く感じてきたのは、接客の現場では知識や技術だけで成果が決まるわけではないということです。お客さまから信頼され、選ばれ続ける人材には、共通する要素があるといいます。
「接客業は人と人との関わりの中で成り立っています。だからこそ、商品知識や技術だけではなく、相手の立場になって考える力や、自分で気付き行動する力がとても大切だと感じています」
長年人材育成に携わる中で、多くの新人の成長を見てきた一方で、壁にぶつかる若手社員も見てきました。その経験から、花井様は社会人としての土台づくりはできるだけ早い段階で行う必要があると考えるようになったといいます。
「技術は後からでも磨くことができます。でも、人としての考え方や仕事への向き合い方は、社会人になった最初の時期がとても重要だと思っています」
こうした経験の積み重ねが、今回の新入社員研修を見直すきっかけの一つになりました。技術習得だけではなく、「気付く力」や「人としての土台」を育てること。その重要性を改めて感じていたからです。
ラ・パルレでは以前から、新入社員向けの合宿型研修を実施していました。エステティシャンという仕事において、知識や技術の習得は欠かせません。しかし花井様は、それだけでは十分ではないと考えていたといいます。
「エステティシャンは技術職なので、まず技術を身に付けることはもちろん大切です。ただ、お客さまが最終的に選んでくださる理由はそれだけではありません。どれだけ相手の立場に立てるか。どれだけ気持ちに寄り添えるか。そうした人としての部分が、お客さまとの信頼関係につながるんです」
長年にわたり採用や教育、人材育成に携わる中で花井様が感じてきたのは、「技術」と「人間力」の両方があってこそ、お客さまに選ばれる人材になるということでした。

「ラ・パルレ」研修風景
「技術は後からでも磨くことができます。でも、人としての土台や考え方は、社会人になった最初の時期がとても大切だと思っています」「みんな個性を伸ばそうとしますが、その土台となる人格がなければ個性は輝きません。まずは人として信頼されること。その土台があって初めて、その人らしさや強みが生きてくると思うんです」
接客業は人と人との関わりによって成り立つ仕事です。だからこそ、ラ・パルレでは新入社員研修においても単なる知識やスキルの習得にとどまらず、社会人としての基礎や、お客さまと真摯に向き合う姿勢を育むことを重視しています。将来的にどれほど高い技術を身に付けたとしても、その土台となる人間力がなければ本当の意味でお客さまから信頼される存在にはなれない。そのような考えが、同社の人材育成の根底にあるのです。
今回の取材で、花井様が何度も口にしていた言葉があります。それが「気付く力」です。
「私は社員によく『まずは相手を観察しなさい』と伝えています。相手が今どんなことを考えているのか。何を求めているのか。その先まで想像する習慣を持ってほしいんです」
花井様が考える「気付く力」とは、単に周囲の変化に気付くことではありません。相手の様子を観察し、その人が何を求めているのかを考え、自ら行動につなげる力です。
「気遣いといわれても、最初はなかなかイメージしづらいと思うんです。だからまずは観察することを教えています。相手をよく見て、その人が何を望んでいるのかを想像する。そして、その先を考える習慣を身に付けることが大切なんです」
例えば、お客さまが次に何を求めるのか、どのような声掛けが安心感につながるのかを考えることも、その一つです。
「5秒先の未来でいいんです。相手が次に何を求めるのかを想像する。その積み重ねが気遣いになり、接客品質の向上につながると思っています」
接客の現場では、お客さま一人一人状況も価値観も異なります。そのため、マニュアル通りに対応するだけでは十分ではありません。
「接客というのはマニュアル通りに動けばいいものではありません。お客さま一人一人、状況も考え方も違います。だからこそ、自分で気付き、自分で考えられる力が必要なんです」
また、この力は接客の現場だけに必要なものではないと花井様は考えています。お客さまとの関わりだけでなく、上司や同僚とのコミュニケーションにおいても、相手を理解し、自ら考えて行動する力は欠かせません。新人研修を通じて育てたかったのも、まさにその力でした。さらに、このような行動は一度教えただけで身に付くものではありません。
「習慣になるまで続けることが大切です。最初は意識しながらでも、続けるうちに無意識でできるようになる。それが本当の意味で身に付いた状態だと思います」
ラ・パルレが目指しているのは、マニュアルを覚えた人材ではなく、相手を観察し、想像し、自ら考えて行動できる人材の育成です。その土台となるのが、花井氏が大切にしている「気付く力」なのです。
花井様は近年の新入社員について、真面目で素直だが、失敗を恐れる傾向があると感じていました。
「答えをすぐに知りたがるんです。間違えたくないという気持ちが強くて、どうしても受け身になりやすい」
スマートフォンやインターネットを活用すれば、すぐに答えが見つかる時代です。しかし、接客の現場では正解が一つではない場面が数多くあります。お客さまの状況を見ながら考え、自ら判断しなければならないことも少なくありません。その一方で、失敗を恐れるあまり「まず自分で考えてみる」ことを避けてしまうケースも増えていると感じていたといいます。だからこそ、自分で考え、自分で動く力を育てたいと考えていました。失敗を恐れず挑戦し、自分なりに答えを見つける経験が成長につながると考えているのです。
「失敗は全然悪いことではないんです。むしろ失敗から学ぶことの方が多い。でも、失敗したくない、怒られたくないという気持ちが先に立ってしまう。すると、自分で考えることや挑戦することを避けるようになってしまいます」
だからこそ今回の研修では、限られた時間の中で考え、自分の意見を発表し、仲間と協力しながら答えを導き出す機会を多く設けました。その結果として表れた変化の一つが、「発言量の増加」だったといいます。
「研修後は、自分の考えを発言する場面が増えました。以前よりも自信を持って行動できるようになったと思います」
こうした考えに至った背景には、長年人事に携わる中で感じてきた課題がありました。花井様は退職者との面談を通じて、ある共通点を感じていたといいます。
「辞めていった社員の話を聞くと、仕事そのものの悩みというより、自分の将来が見えなかったり、壁にぶつかったときの乗り越え方が分からなかったりするケースが多かったんです」
もちろん、技術不足が原因で退職するわけではありません。しかし、社会人としての考え方や、自ら行動する力が育たないまま現場に出てしまうと、困難に直面したときに前へ進めなくなることがあります。
「だからこそ、スキルだけではなく、人として成長するきっかけをつくる必要があると考えるようになりました」
新人研修を見直す動きは、こうした人材育成上の課題意識から始まりました。
新入社員育成を強化したいという思いは以前からありましたが、花井様が求めていたのは単なるマナー教育ではありませんでした。重視していたのは、なぜその行動が必要なのかを理解し、自ら考えて行動できる人材を育てることだったといいます。
一方で、これまで社内で実施してきた技術研修については、長年のノウハウもあり十分に対応できていました。しかし今回新たに強化したいと考えていた接遇や社会人基礎力、ホスピタリティといった領域については、社内だけで実施するには限界があると感じていたといいます。
「技術教育についてはこれまでも社内で実施してきましたし、そこには自信もありました。ただ、今回私たちが強化したかったのは技術ではなく、人としての土台づくりの部分だったんです。また、でも外部の方は違う視点で見てくれるので、自分たちでは気付かなかった課題が見えてきます」
そのため花井様は、専門性を持つ外部パートナーに任せることを検討しました。数ある研修会社の中でも印象に残ったのが、パソナHRソリューションの接客・接遇研修でした。
「研修内容をお聞きする中で、単なるマナー教育ではなく、『気付き』や『考える力』を大切にしていることが伝わってきました。お客さまに選ばれ続けるために何が必要なのか。その本質を伝える研修だと感じました。私たちが育てたい人材像とも重なる部分が多かったんです」
そうした共感が、今回の導入につながりました。

ニューアートグループ入社式
研修後、最も大きく感じた変化について尋ねると、花井様は「あいさつ」と「基本行動」を挙げました。
「一番大きかったのは、あいさつや基本行動がしっかり定着したことですね」
あいさつは社会人として当たり前のことです。しかし、当たり前だからこそ継続することが難しい。研修後は、声の出し方や立ち居振る舞いにも変化が見られたといいます。
「研修後は声の出し方や立ち居振る舞いにも変化が見られ、『ちゃんと身に付いているな』と感じる場面が増えました」
その成果を実感した出来事が、グループ全体の入社式でした。ニューアートグループ全体で開催された入社式では、約150名の新入社員が一堂に会しました。新入社員が一人ずつあいさつを行う場面で、役員から思わぬ言葉を掛けられたそうです。
「役員から『今年の新卒は違うな』と言われたんです」「声の大きさや堂々とした姿勢が例年とは違って見えたそうで、私自身もうれしかったですね。恐らく、研修がなかったらそこまで声は出ていなかったと思います」
花井様は、その場面を振り返りながら、研修によって得た自信が新入社員たちの行動に表れたのではないかと語ります。
「もちろん本人たちの努力があってこそです。ただ、今回の研修がなければ、あそこまで自信を持ってあいさつできなかったと思っています」
変化を感じていたのは人事部門だけではありませんでした。受講した新入社員からも、多くの反響が寄せられたといいます。
といった声が聞かれたそうです。
花井様は、その反応に大きな手応えを感じました。
「知識として覚えた、ではなく、『なぜ必要なのかが分かった』という感想が出てきたことが良かったですね」「私たちが伝えたかったのもまさにそこでした。形だけではなく、本質を理解して行動につなげてほしい。その思いが届いたのではないかと感じています」
最後に今回の研修成果を一言で表すなら何かを伺うと、花井様はしばらく考えた後、こう答えてくれました。
「一言で表すなら、『気付く力が高まった』ということだと思います」「そしてもう一つ言うなら、社会人としての基礎が身に付いたことです」「技術を覚える前に、人として大切なことを学ぶ。その土台づくりができたことが、今回の一番の成果だったのではないでしょうか」
ラ・パルレが目指した新入社員研修は、単なるスキル習得の場ではなく、社会人としての土台づくりの場でもありました。そして、その土台となる「気付く力」は、これからお客さまと向き合い続ける上で、大きな財産になっていくはずです。

「ラ・パルレ」接客風景
一方で花井様は、研修を一過性のイベントにはしたくないと考えています。
「学んだことを継続し、習慣にしていくことが大切です。そのためには現場の店長や先輩との連携も欠かせません」
今後は新入社員だけでなく、2年目・3年目社員、さらには管理職層に向けた教育にも取り組んでいきたいと考えています。
「エステ業界は技術だけでは差別化が難しい時代です。だからこそ、人が成長することが企業の価値につながると思っています」
技術とホスピタリティ、その両方を備えた人材を育てること。その取り組みは、これからもラ・パルレの成長を支える大きな力になっていくでしょう。