【女性活躍推進研修導入事例】
株式会社かねたや家具店

管理職へのためらいを打ち消した女性活躍推進研修!
社内の「意識」も「空気」も変えた取り組みとは?

株式会社かねたや家具店

本社所在地:千葉県千葉市美浜区ひび野1-7
設立:1954年11月
代表:代表取締役社長 四谷正明
業種:家具・インテリア専門店
従業員数:193名(2024年10月現在)
部署・役職名:管理本部 人事総務部 人事総務課 課長
ご担当者氏名:降幡 朋恵 様
 (取材日:2023年3月/取材協力: ProFuture株式会社『HRプロ』)

背景・課題

女性社員は4割だが管理職比率は4%。挑戦意欲はあるがロールモデル不足で管理職へのためらいが大きく、男性管理職にも育成への不安やアンコンシャスバイアスが存在。                               

検討プロセスと施策

全社員アンケートと女性向けワークで意識を把握。パソナHRソリューションと連携し、女性には「自分らしい管理職像」を描く研修、管理職にはバイアス改善と育成スキル研修を実施。トップも参加し方針を明示。

成果と今後の取り組み

女性4名が店長候補に立候補し、全社で意識改革が進展。今後は女性店長育成を加速し、管理職比率を女性社員比率並みの4割へ。パソナHRソリューションと伴走し施策を継続強化。            

1954年に創業し、千葉県を中心に家具の店舗販売などの事業を展開する株式会社かねたや家具店様。単に家具というモノを提供するだけではなく、顧客の声に耳を傾けながら心地よい“暮らし”を提案したいという想いを込め、「くらし すてき Solution」というスローガンを掲げています。時代や顧客の変化を敏感に捉え、進化を続ける同社はさまざまな改革を進めています。その中のひとつが、女性活躍推進施策です。パソナHRソリューションは、女性社員向け・管理職向けの研修を提案し、導入いただきました。

今回、その研修導入に至った背景や、それによる成果などに対して、管理本部 人事総務部 人事総務課 課長 降幡 朋恵 様にお話しを伺いました。

女性が当たり前に管理職になれる環境を、いかにしてつくるか?

まずは、パソナHRソリューションの研修を導入以前に、貴社が抱えていた女性活躍推進に関する課題をお聞か
せください。

降幡氏:2018年に現代表の柴田が就任してから、当社はさまざまな改革に取り組んでまいりました。そのひとつが、人事制度の改定です。お客さまのライフスタイルや好みも多様化する中で、家具を販売する当社にも、多様な視点が求められます。そこで短時間正社員制度の導入など、女性が長く働ける環境の整備や、多様性の確保に力を入れてきました。

当社の社員約230名のうち、女性は4割を占めています。しかしながら女性管理職比率は低く、4%という状況でした。今後は女性が当たり前に管理職になるキャリアパスの創出に取り組まねばならないと考えていました。

女性活躍推進の取り組みを進めるにあたり、どのようなことを行いましたか。

降幡氏:まずは、社員たちの意識を把握することが必要だと考えました。そこでまず、全社員に対するアンケートを実施したところ、「女性活躍推進が業績に好影響を与えると思う」と回答した社員が、全体の7割以上だったのです。また、管理職に対して「部下の中に管理職になって欲しい女性社員はいるか」と聞いたところ、「いる」という回答が多数を占めました。全社的に女性活躍に前向きであることが確認できたのです。

続いて、当事者である女性たちの意志を確認しました。女性社員が約100名いるということは、働き方もライフスタイルも約100通りあるということです。まずそのスタート地点にズレが生じてしまってはいけません。そのため女性たちの考えを確認するために、いくつかのグループに分けて、これまでのキャリアの振り返りと、キャリアデザインを考えるワークショップを行いました。そこで分かったのは、女性は挑戦に前向きであることです。「もっと活躍したい」と考えている女性がこれほど多いとは、私たちも予想していませんでした。女性たちが挑戦できるフィールドの創出や背中を押すための施策を、会社がしっかりと用意することが必要だと感じました。

女性が「自分に合った管理職像」をイメージできる研修が必要

今回、どのような研修が必要だと考えていらっしゃいましたか。

降幡氏:女性活躍推進の施策として、当社の事業の柱である小売店舗で女性店長を創出したいと考え、その育成計画を立てていました。ただ、女性社員たちの前向きな姿勢が見えた一方で、重大な課題も明確になったのです。仕事で挑戦したいという想いはあるものの、「管理職の打診があれば受けたい」という女性社員はほとんどいませんでした。女性管理職が非常に少ない当社においてはロールモデルが存在せず、一歩踏み出すことが本当に大きなハードルになっていたのでしょう。そのため、自分なりの管理職像をイメージできるようにしたいと考えました。

そして男性管理職もまた、女性社員の育成に難しさを感じていることがアンケートで分かりました。前例がないことへの不安や、女性のキャリアに対するアンコンシャスバイアスがあったのだと思います。そうした課題を解決できるような研修を進めるべく、外部研修業者に相談することにしました。

数ある研修会社の中から、パソナHRソリューションを選定した理由を教えてください。

降幡氏:研修について、複数の会社からご提案をいただきました。各社、一般的なアンコンシャスバイアス研修については提案をしてくださったのですが、受講者が具体的に自分なりの管理職像をイメージできるような研修については、なかなか踏み込んだ提案がありませんでした。

一方で、パソナHRソリューションンのご担当者は当社の女性活躍推進の取り組みについて、じっくりと耳を傾けてくださいました。女性店長育成施策など、私たちが何を目指しているのかをしっかりと理解した上で、「自分らしいリーダーシップのとり方」まで発展した研修の提案をしてくださったのです。

パソナHRソリューションの研修ならば、女性の背中を押すことができると思いました。

女性社員、管理職、そして全社の意識に変化が見られた

女性社員向けの研修は、どのような内容でしたか。

降幡氏:20代から50代まで、幅広い年齢層の女性が研修を受講しました。グループワークが多く、自分の中のアンコンシャスバイアスを改善するものや、自分のなりたい管理職像をイメージできるようなワークでした。「管理職は強く引っ張っていかねばならない」など、画一的なイメージを抱きがちですが、リーダーシップの在り方はひとつではありません。それを、研修を通して伝えていただきました。自身がどのようなリーダーシップが向いているのかを受講者同士の対話の中で見つけていくワークもあり、「自分は意外とこういう風に見られているんだ」「こういうことが得意なんだ」と、新鮮な発見があったようです。

そうした社員の行動を、講師の方は細やかに見てフィードバックをくださったことも印象的でした。褒められると本人の自信にもつながりますし、周囲の社員も良い影響を受けます。注意すべきところも指摘がありましたが、それが改善されたら賞賛するなど、新入社員一人一人の意識変革をしっかりとサポートしていただきました。

管理職向けの研修はいかがでしたか。

降幡氏:研修を通して、自身のアンコンシャスバイアスに気付いた様子が、表情の変化で分かりました。まさに意識が変革するような研修だったと思います。「決めつけていたことを反省した」「傾聴する姿勢を意識したい」という声がありました。「女性は男性よりも管理職になることに対して高いハードルを感じている」というお話も講師の方にしていただいたことも、新たな発見になったようです。「女性部下の中にも、ためらっている人がいるかもしれない。そういう人たちの背中をもっと押してあげた方がいいと思った」という発言もありました。また、女性活躍推進にはトップコミットメントが不可欠です。今回の研修は社長も参加し、冒頭に挨拶を行いました。会社として、女性活躍施策を積極的に進めていく方針を、しっかりと打ち出すことができたと感じています。

研修受講後、社内ではどのような変化がみられましたか。

降幡氏:研修後に女性店長育成の施策を打ち出したところ、20代から50代の合計4名の女性社員が手を挙げてくれました。事前アンケートで、「管理職の打診があれば受けたい」と回答した女性がほぼいなかったことを考えると、これは大きな一歩だと思います。「研修を通して自分のなりたい店長像が見えてきた」という声もあり、研修の成果を感じました。50代の社員は「これから会社に対してどんな貢献ができるのかを考えていた時に、この研修を受けることになった。それから女性店長育成施策が出てきたことで、これが私の進む道だと思って手を挙げた」と話してくれました。4名の女性社員は現在、「トライ店長」という店長候補ポジションとして育成を進めています。その取り組みは、社内報でも取り上げられたことから、社内からの応援ムードも高まっています。

店舗を統括する経営幹部も管理職研修を受講し、「女性店長の育成に、本気で取り組まねばならない」と改めて感じたそうです。今回の施策に関しても、全面的に協力してくれています。女性部下の指導に迷った時に、今回の研修で使用したテキストを見返しているという管理職もいます。研修を実施したことによって女性たちや管理職だけではなく、全社的に女性のキャリア形成に対する意識が着実に根付きつつあると感じています。

研修のみならず、人事施策にもパソナHRソリューションのアドバイスが活かされている

パソナHRソリューションの担当者に対する評価をお聞かせください。

降幡氏:当社の現状をできるだけ正確に把握した上で、研修プランをご提案してくださいました。そのため、どこよりも当社のニーズに合致した研修内容になったと思っています。打ち合わせの時も、社外の方々だということを忘れそうになるほど、親身になって相談に乗ってくださいました。私たちだけでは発見できないような新しい視点を提供していただき、研修以外の面でも助けていただいています。

新しい視点や研修以外のアドバイスというのは、具体的にどのようなことでしょうか。

降幡氏:研修のご提案をいただく前から、女性店長育成施策案をパソナHRソリューションに共有しており、その内容にはさまざまな視点からご意見をいただきました。現在、施策が順調に進んでいるのも、そのおかげだと思っています。また、女性店長候補に名乗りを上げた4名のトライ店長が定期的に集まる場を設けた方が、本人たちのモチベーションアップや課題の把握につながるというアドバイスをいただき、3カ月ごとにミーティングを行うことにしたのです。先日、そのミーティングを実施したのですが、本当に活発な意見交換ができて有意義な時間になりました。

女性管理職候補はまだ少なく、ともすると一人で悩みを抱えがちです。だからこそ、同じ立場の仲間同士が集まる機会をつくり、励まし合ったり良い刺激を受け合ったりすることは、本当に大切なのだと実感しました。当社の想いや現状に寄り添っていただけるため、パソナHRソリューションの方々には本当に感謝しています。

講師、そして研修コンテンツについての評価はいかがですか。

降幡氏:これまでにない新たな研修、かつ女性活躍と銘打った研修ということで、受講者にも最初は緊張が見られました。しかし講師の方は受講者の目線に立ってリラックスできる空気をつくり、自然に意見を引き出してくださいました。グループワークの最中も全体の様子に目を配り、行き詰っているグループがあれば議論が進むように促したり、昼食を一緒に食べたりして会話しやすいようにサポートしている姿が印象的でした。当社と非常に相性のいい方をアサインしてくださったと思います。研修プログラムの内容に関しては、女性が実際に自分の管理職像をイメージした上で、「自分にもできる」と自信を持てる内容だったと思います。受講者の意識も変わって施策が順調に進み、前向きな意識が全社に波及しているところからも、実施して良かったと思える研修でした。

今後、パソナHRソリューションにどのようなことを期待していますか。

降幡氏:人事はその業務の性質上、社外はもちろん社内でも他の部門にはなかなか情報をオープンにできず、相談相手が限られてしまいます。そのため、キャプランのように親身に相談に乗っていただける存在は、非常に貴重でありがたいです。また、変化の激しい時流において、これまでにない未知なる課題に直面する中で、専門的な視点からアドバイスをくださり、助かっています。これからも頼りになる伴走者として、ぜひご支援をお願いしたいです。

最後に、女性活躍推進におけるビジョンをお聞かせください。

降幡氏:まずは、女性店長育成をしっかりと進めていきたいです。順調に女性店長が誕生すればロールモデルができるため、後に続く女性も出てくるはずです。私たち人事が、その支援をしっかりと丁寧に行うことが大切だと考えています。そしてゆくゆくは女性管理職比率を、女性社員比率と同じ4割に高めていきたいですね。

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