【新入社員研修導入事例】
エノテカ株式会社

エノテカブランドを支える「接客スキル×ワインの知見」を兼ね備えた人材の育成

エノテカ株式会社

本社所在地:東京都港区南麻布五丁目14番15号
設立:1988年8月31日
代表:代表取締役社長 堀 慎二
業種:酒類専門店(ワインの輸入ワインショップ事業(店舗、バーの運営)
従業員数:953名(※連結 2024年12月31日現在)
部署・役職名:人事部 人材開発課
ご担当者氏名:鈴木 成美 様
 (取材日:2023年6月/取材協力: ProFuture株式会社『HRプロ』)

背景・課題

接客とワイン知識の両立が必須だが、内製研修は品質にばらつきがあり、基礎統一が困難であった。                                 

検討プロセスと施策

外部研修導入を決定。パソナHRソリューションがビジョンに沿ったオーダーメイド研修を提案し、接客研修と世界最大のワインスクールWSET®のワイン研修を体系化。講師は客室乗務員経験者で実践的指導を実施。

成果と今後の取り組み

行動変容と知識定着を実現、資格取得率100%。今後は研修を毎年アップデートし、上級資格や管理職研修まで強化していきたい。                

1988年の創業以来、「For All Wine Lovers すべてのワイン愛好家のために奉仕する」を理念として、国内外に100店舗以上のワインショップ、全国の飲食店などに向けた卸売、そして海外への事業展開をする、エノテカ株式会社。顧客のニーズにきめ細やかに対応する接客スキルと、豊富なワインへの知見を持つ社員が活躍していらっしゃいます。そんな「接客」と「ワイン」、双方のスキルを兼ね備えた人材を育成するには、まず新入社員研修でのベースづくりが何より大切です。

今回、「接客研修」「ワイン研修」2つの研修を導入していただいたエノテカ株式会社 人事総務部 人材開発課 鈴木成美様にインタビューを行い、パソナHRソリューションの研修導入の背景や、評価などについて伺ました。

ビジョン実現のためにも、新入社員の育成をより強化したい

はじめに、エノテカ様の事業内容について教えてください。

鈴木氏:エノテカは、ワインの買い付けからリテール、卸売、そして国際事業を展開しています。リテール事業では国内外に100店舗以上を展開するほか、通信販売も行っています。

卸事業では全国に10カ所の営業拠点を設け、レストランやホテルといった飲食店さま、百貨店やスーパー、コンビニエンスストアといった小売店さまなど、幅広い業態のお客さまに対応しています。国際事業はアジアを中心に急成長を続ける事業です。

貴社の人材育成の考え方についてお聞かせください。

鈴木氏:当社は、ワインを愛するすべての人を大切なお客さまと考え、お客さまのためにできる限りのサービスを提供することを長期ビジョンとして掲げています。極端にいえば「ワインしかない」と言えるほど、ワインに特化してお客さまにサービスを提供している会社です。そのビジョン実現のためにも、社員に求められるのは接客スキルとワインの知見です。ワインには、産地やブドウの種類、製造方法など様々な要素があり、ともするとお客さまに難しいと思われてしまいます。だからこそ、私たちがお客さまに寄り添ってニーズを引き出し、提案することが大切です。そのためには、ワインの知識だけでも、接客スキルだけでも十分ではありません。双方のスキルを高めることが必要だと考えています。

パソナHRソリューションの研修を導入する前、新入社員研修には、どのような課題がありましたか?

鈴木氏:以前は新入社員研修を内製化しており、社内講師が研修を行っていました。講師陣はもちろんエノテカの社員として高いレベルのスキルを保持しているのですが、研修を専門に行っているわけではありません。そのため、どうしても年度によってバラつきが出てしまいました。また、エノテカとして持つべき共通の基礎知識やビジネスマナーの基準が曖昧になっていました。

豊富な経験を持つ講師陣、ビジョンに即した提案内容が決め手に

なぜ、外部機関の新入社員研修を取り入れることにしたのでしょうか。

鈴木氏:幸い、エノテカに入社する社員には「ワインが好き」という共通点があります。そのため全員が高い意識を持ってスキルの向上に励むのですが、個人の裁量に頼りすぎてしまうと、人によって習熟度にもバラつきが出てしまいます。そこで、まずはエノテカの社員として必要な接客スキルとワインの知識を、お客さまのニーズや世の中の動向と照らし合わせて明確にしたうえで、それを入社時に共通のベースとして身に付ける必要があると考えました。しかし、自社の力だけで行うのは困難であるため、外部の研修機関の力を借りてエノテカの研修体系を見直したいと考えたのです。

数ある研修会社の中から、パソナHRソリューションを選んだ決め手を教えてください。

鈴木氏:一番の決め手は、講師陣です。パソナHRソリューションの研修講師には、客室乗務員経験のある方が多いです。客室乗務員の方はワインをサーブすることもあるため、その立ち居振る舞いから言葉遣いまでをしっかり学べると考えました。実は、研修の前に講師の方を当社の近くでお見掛けしたことがあります。その際、一目見て「この方が接客マナーを担当される講師に違いない」と確信するほど、身のこなし、雰囲気、姿勢、どれをとっても完璧でお手本にしたいと思える方でした。また、単に客室乗務員経験があるだけではなく、エノテカの事業ビジョンや人材育成方針もしっかりと理解した上で新入社員に向き合ってくださると感じました。

研修内容についても、エノテカのビジョンや接客スタイルに合わせたオーダーメイドの研修プログラムを組み立てて提案していただきました。既存のプログラムを当てはめるのではなく、目指すゴールに向けて何が必要か、そのためにどのような研修をする必要があるのか、丁寧に打ち合わせを重ねていく中で、信頼できると確信しました。

楽しみながら知識を身に付け、行動変容も促す研修内容

パソナHRソリューションの研修を導入した成果をお聞かせください。

鈴木氏:新入社員研修は、「ビジネスマナー」と「ワイン」の2軸で実施しています。まず、ビジネスマナー研修では、講義のあとに社員の行動がすぐに変わったことに驚きました。「先を考えて行動しよう」という学びを得た研修後の休憩時間、講師の方が次の研修の準備をしていると、何人かの社員が「お手伝いしましょうか」と率先して声を掛けていたのです。それまでは周囲に気を配る余裕がなく、自分のことだけで手いっぱいだったのですが、研修後に明らかに視座が変わったと感じました。

そうした社員の行動を、講師の方は細やかに見てフィードバックをくださったことも印象的でした。褒められると本人の自信にもつながりますし、周囲の社員も良い影響を受けます。注意すべきところも指摘がありましたが、それが改善されたら賞賛するなど、新入社員一人一人の意識変革をしっかりとサポートしていただきました。

ワインの研修についてはいかがでしたか?

鈴木氏:新入社員は、入社前は消費者としてワインを見ていたはずです。しかし、エノテカに入社後はビジネスとしてワインを取り扱う立場に変わります。「ワインが好き」という気持ちが同じでも、自分が楽しむためだけではなく、しっかりとした知識を備えたプロとしてお客さまに接していかねばなりません。

そのために膨大な知識を身に付ける必要がありますが、その時に「こんなに難しいのか」と、自信をなくしてしまう社員が多いです。しかし、パソナHRソリューション(現キャプランワインアカデミー※1 )の講師の方は、「難しいけど仕事だから仕方ない」と知識を詰め込むのではなく、「ワインってこんなに面白いんだよ」というスタンスで研修を進めてくださいました。ワインの成り立ちを地域の歴史や特性を紐解きながら理論立てて教えてくださるので、新入社員たちも意欲をかきたてられたようです。

また、エノテカでは世界最大のワイン教育機関である『WSET®(Wine & Spirit Education Trust)(※2)』が実施する世界標準のワイン資格の取得も推奨しています。新入社員は、4つのレベルのうちWSETLevel2を受験しますが、このようにWSET Level2から段階的に学べるような仕組みづくりをはじめ

としたエノテカ独自の資格取得研修プログラムも日本最大のWSET認定校であるパソナHRソリューションだからこそ実現できています。これまで合格率100%を維持できているのも、キャプランのお力添えのおかげです。

(※1 )ワインアカデミー事業を2025年7月に(株)アサヒビールコミュニケーションズへ事業承継しました。
※2)WSETとは・・・ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関。世界70カ国でWSETの教育組織が運営され、年間約110,000人が認定試験を受験するなど、国際的に認められている認定資格です。キャプランワインアカデミーは日本最大の認定校であり、Level1~Level4の4つ全ての認定試験を実施しています。

研修全体を通して、新入社員の方々からどのような感想がありましたか?

鈴木氏:ビジネスマナーに関しては、講師の方の雰囲気や佇まいがあまりに素晴らしく、最初は緊張したという声がありました。しかし、実際に研修を進める中で約40人の新入社員一人一人の変化に目を配り、たくさんコミュニケーションを取ってくださったので、充実した研修になりました。実際に新入社員からも、「表情が固い」「言葉遣いが間違っている」「姿勢が悪い」など日常生活では指摘されてこなかったところも講師の方が指導してくださったこと、また「実際にビデオを撮りながら進めてくれたことで、自身を客観視することができ、課題が明確になった」といった感想や「お客さまのニーズを引き出す傾聴力やお客さまの目線に立って考える共感力の重要性に気付いた」などといった感想もありました。

今では実際にお客さまへ接客を行っている新入社員ですが、研修以前には意識していなかった「笑顔」「明るく元気な挨拶」「姿勢」について意識せずともできるようになり、自身の成長に対して素直に嬉しく感じるといった声もありました。研修全体を通して新入社員一人一人が、社会人として、そしてエノテカの一員としての自覚と責任を持ってくれたと思っております。ワインの知識については、知識を詰め込むだけではなく体系的に学んだことで、新入社員全員に共通したベースの知識が構築できました。基礎固めがしっかりとできているため、その後の知識の吸収も早いと考えられます。「同期みんなでステップアップしていこう」という意識も芽生えていますね。

ニーズの変化や新入社員の傾向を取り入れ、毎年新たな研修の提案をしてくれる

パソナHRソリューションに対する評価をお聞かせください。まず、営業担当者についてはいかがでしょうか。

鈴木氏:エノテカの理念やビジョン、私たちが実現したいことを理解した上でカリキュラムを提案してくださったことに、本当に感謝しています。こちらの要望もしっかりと受け止めてくださるので、何でも相談しやすいですね。そして、翌年に同じプログラムを持ち越すことはなく、その年の研修で生じた課題や、新入社員の傾向、お客さまのニーズの変化などを踏まえ、毎年アップデートしてくださる姿勢が非常に信頼できます。

アップデートの具体的な事例があれば、ぜひ教えてください。

鈴木氏:今年初めての試みとして、「気づき研修」という研修を行いました。これは、お客さまの満足度向上に向けて、お客さまの想いに気づき、お応えするための研修です。従来からエノテカの接客は、単に商品の説明を行うだけではありません。お客さまが何を求めていらっしゃるのか、どのようなシーンでワインを楽しむのか、お客さまの知識レベルの違いを踏まえて、寄り添ってご提案を行います。

特に、昨今はお客さまのニーズも多様化しているため、さらにそのスキルを強化する必要があると感じました。そこでパソナHRソリューションに相談をしたところ、「気づき研修」の提案をいただき、実施することになったのです。

講師についての評価もぜひお聞かせください。

鈴木氏:大きな決め手は講師の方でしたが、本当にお任せして良かったと感じています。新入社員だからといって「この程度でいいだろう」と妥協せず、エノテカの社員としてまず到達すべきゴールを示した上で、そのゴールから目線を下げずに研修を行っていただけました。その結果、新入社員も「この研修が終わった後は、1人のプロフェショナルとしてお客さまに接する」という覚悟ができたと思います。

そして、接客マナーは単にマニュアルやテキストを読み上げるだけで身に付くものではありません。講師の生きた言葉や振る舞いから学び取ることが非常に重要だと考えています。その点、パソナHRソリューションの講師の方はお客さまを熟知したプロフェッショナルであるため、すべての言葉や行動に説得力を感じました。

新入社員から管理職まで、幅広い研修をパソナHRソリューションに任せたい

今後の人材育成ビジョンについてお聞かせください。

鈴木氏:エノテカが大切にしている理念は、「For All Wine Lovers すべてのワイン愛好家のために奉仕する」です。私たちはお会いするすべての方のために、これからも挑戦を続けていきます。そのためにも、「接客スキル」と「ワインの知識」という2つの軸を、さらに強化していきたいと考えています。ワインショップは、エノテカとお客さまとの最大の接点であり、エノテカブランドを支える存在といっても過言ではありません。新入社員は基本的にまずワインショップに配属となるため、研修にはより力を入れていきたいです。

そのビジョンのために、パソナHRソリューションに今後どのようなことを期待しますか?

鈴木氏:時代によって新入社員の顔ぶれはもちろん、お客さまのニーズも変わっていくため、パソナHRソリューションと一緒に研修内容もアップデートし続けたいです。そして、ワインの知識に関しても入社1年目に受けるWSET Level2 だけでなく、Level3・Level4(Diploma)への挑戦、さらに現在日本に1人しかいない世界最難関のワイン試験『マスター・オブ・ワイン(※3)』合格者を、エノテカから輩出したいと考えています。

既に中堅社員や管理職向けの研修もお願いしていますが、これからもキャプランには、ぜひ新入社員のベースづくりから、さらなるスキルアップのためのパートナーとして伴走していただきたいですね。

(※3)マスター・オブ・ワインとは・・・ワイン界で最高峰資格と言われ、世界30カ国で419人しか取得者がおらず、日本在住の日本人は1人のみ(2023年1月時点)。

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