【管理職研修導入事例】
トーヨーカネツ株式会社

組織の垣根を越えて受講者同士を有機的につなぐ
~「脱・背中を見て学べ」人材育成のスタイル変革を目指して~

トーヨーカネツ株式会社

本社所在地:東京都江東区南砂二丁目11番1号
設立:1941年5月16日
代表:代表取締役社長 大和田能史
業種:燃料タンク建設・工事/運搬機械
従業員数:単体 608名 連結 1,218名(2025年3月期)
ご担当者:人事企画部 部長 服部頼和 様
      人事企画グループ グループマネジャー 梅原美緒 様
 (取材日:2023年5月/取材協力: ProFuture株式会社『HRプロ』)

背景・課題

トーヨーカネツはインフラ事業で確固たる地位を築く一方、変革を推進中。管理職層はベテラン男性中心でダイバーシティが進まず、若手育成機会も不足。「背中を見て学べ」文化で知見が属人化し、事業間交流も乏しい状況。今後の成長には管理職の意識改革と育成スタイル刷新が不可欠と判断。

検討プロセスと施策

従来のインプット型研修を見直し、パソナHRソリューションと連携しアウトプット重視のプログラムを導入。座学に加えディスカッションやロールプレイを組み込み、受講者同士のネットワーク形成を促進。「新任管理者研修」「チームリーダー研修」を実施し、役割認識とマネジメントスキルを強化。講師による継続的フォロー面談も導入。

成果と今後の取り組み

受講者の課題認識が明確化し、共通言語が生まれ意識変革が進行。部署・グループ会社間の交流が活性化し、社内ネットワーク構築に寄与。満足度は高く、参加枠拡大の要望も。今後はPDCAを回し、現場実践と効果検証を継続。挑戦する人材育成と報われる文化の定着を目指し、パソナHRソリューションと新施策を検討予定。

国内外のエネルギータンク建設や、物流ソリューションといった、世の中に不可欠なインフラを支える事業を展開するトーヨーカネツ株式会社様。1941 年創業の同社は、これまでの歴史や実績に裏打ちされた信頼と卓越した技術力で、確固たる地位を築いています。しかし、その地位に満足せず、新規事業など果敢にチャレンジする文化の醸成にも取り組んでいます。その変革の中、マネジメント層の育成や意識改革に課題を感じており、パソナHRソリューションの管理職研修の導入に至りました。
今回、人事企画部 部長の服部様と、人事企画グループ グループマネジャーの梅原様に、研修導入の背景やその成果についてお話を伺いました。

世の中の変化に合わせ、インプット型の管理職研修を刷新

はじめに、貴社の事業内容について教えてください。

服部氏:まず、当社の主要事業は2つあります。ひとつは、プラント事業です。こちらは液化天然ガスや液化石油ガス、原油などの貯蔵タンクを建設、メンテナンスに至るまでのトータルエンジニアリングを提供しています。当社の歴史と共に歩んできた事業です。

もうひとつは、物流ソリューション事業です。空港や配送センターなどの物流システムを手掛けています。物流業界の発展と共に成長し、現在当社の屋台骨を支えています。これら主要事業に加え、次世代エネルギー開発事業、そして第三の事業確立に挑む、みらい創生事業にも取り組んでいます。

パソナHRソリューションの研修を導入する前、マネジメント層の強化にどのような課題を抱えていらっしゃいましたか?

服部氏:これは日本の多くの企業が抱えている課題かと思いますが、ベテラン世代の男性が多く、ダイバーシティが進みづらい状況にありました。そのため、若手にマネジメント経験を十分積む機会がないままであることが課題のひとつでした。人材育成のスタイルも、丁寧に部下を教育して導くというよりは、自ら動いて「背中を見て覚えろ」という風土が強かったのですが、それは今の若者のキャリア観には合いませんし、知見が属人化しやすいという悩みもありました。

しかし、今後は人材の多様性は不可欠ですし、労働力の確保という観点でも、ダイバーシティの推進が重要です。人材育成のスタイルも、変えていかねばなりません。また、事業の専門性がそれぞれ異なることから、事業間の垣根が高く人材交流もほとんどなかったことも課題でした。今後の発展を考えると、両事業を理解する人材は必要です。こうした課題を解決していくには、現場への大きな影響力を持つ管理職の意識から変革させていく必要があると考え、研修の刷新を決めました。

梅原氏:これこれほど世の中が変化し、管理職に求められていることも変わってきているのだから、研修も時代の流れを取り入れた内容にアップデートしていくことが求められると思いました。

画一的ではなく、課題に合わせてトータルで検討された提案に魅力を感じた

以前は、管理職向けにどのような研修を実施されていたのでしょうか。

服部氏:インプット中心の研修でした。財務会計、労務管理、法律などマネジメントに必要な知識を一通り専門家から学ぶのですが、それぞれ講師も異なるため、テーマ別に縦割りだったのです。また、講義形式のためなかなか頭に入りにくく、せっかく学んでも現場に戻ってその知識を活かしきれないという問題がありました。

これからのトーヨーカネツのあるべきマネジメントの姿をつくるには、それぞれの専門知識を有機的につないでいく必要があります。管理職同士の交流もはかり、有意義な研修にしていくために、ディスカッションも含めたプログラムへの刷新をしたいと考えました。

パソナHRソリューションの研修を導入することになった決め手を教えてください。

服部氏:当社の事業戦略とマネジメント層のあるべき姿をしっかりと理解していただき、そのために一貫した研修プログラムを提案してくださいました。既存パッケージを当てはめるのではなく、当社の課題に合わせた研修内容をカスタマイズし、ディスカッションを多く取り入れたアウトプット型の研修を提案してくださったことも決め手の一つです。

梅原氏:講師が1人で全体のプログラムを担当してくださることも魅力に感じました。それによって、受講者の継続的な成長を見ていただけますし、講師と受講者との信頼関係も構築できます。それが、受講者同士の良い関係性にも波及していくのではないかと考えました。ご紹介いただいた講師の方は、コーチングやコンサルングも行う、経験豊富な方です。

すぐにこの方に「お任せしたい!」と思いました。

「新任管理者研修」と「チームリーダー研修」を導入した理由をお聞かせください。

服部氏:まず「新任管理者研修」については、その名の通りマネジャーと言われる幹部に昇進したときに行う研修です。ここでは役割が大きく転換するため、人と仕事の側面からしっかりと研修を行うことが必要だと考えました。

次に「チームリーダー研修」ですが、チームリーダーは管理職の一歩手前のポジションです。管理職ではないものの、チームのリーダーとしてメンバーの評価に関わります。しかし、これまではあまりその役割が明確ではありませんでした。先ほどの課題でお話ししたように、それまでは部下に対して明確に言葉に出して育てるという文化がなかったため、「チームリーダー」とは何者か、どんな期待をされているのか、上司からも人事からも十分に発信できていませんでした。

そのため本人たちも何をすればいいのか迷いがありました。このポジションからまず育成することが、当社の未来を見据えても必要だと思い、研修を実施することにしたのです。

管理職の意識変革、社内コミュニケーション活性化に向け、大きな一歩を踏み出せた

研修を実施して、どのような成果を感じられましたか?

服部氏:アウトプット型の研修にしたことにより、一人ひとりの受講者がどこに課題を感じているのかが明確になりました。そして、多くの受講者が同じ悩みを抱えていることが分かったことは、大きな収穫でした。管理職は、孤独に陥りがちです。だからこそ、この研修のように同じ立場の人が集まって話をすることが大切だと感じました。マネジメントスタイルに変化が表れ、成果が見られるのは少し先のことでしょうが、確実に意識が変わりつつあると思います。

また、受講者同士の交流も生まれています。特にグループ会社からの評判が高く、「次はもっと参加枠を増やせないか」と相談があるほどでした。これまでグループ会社は、現場レベルではつながりが少なかったのですが、この研修でネットワークができたことで、もしかしたら新しい展開が生まれるかもしれません。

小さな兆しですが、会社としてもグループ同士で共創を進めたいと考えているため、今後が楽しみです。

1 人の講師が研修全体をオーガナイズする形式については、いかがでしたか?

服部氏:大きなメリットを感じています。講師の方がコーチングのスキルもお持ちだということで、研修受講後にも継続してフォロー面談を行っていただくことにしました。管理職としての目標に向けた取り組みや課題、悩みなどを 1on1(※)で聞くことで、研修を“やりっぱなし”にせず、継続的な成長ができると思います。それに、社内の人間には相談しにくい悩みもあるでしょう。それを利害関係のない講師の方に話す機会を設けることで、悩みを抱え込まないようにしています。さらに、講師の方は話を引き出すプロです。そのスキルを学び取り、自身が部下と話す時に発揮してもらいたいですね。

(※)定期的に上司と部下が 1 対 1 で面談を行い、部下の成長をサポートするとともに円滑なコミュニケーションの実現を目的としたマネジメントの手法の一つ。

梅原様も新任管理者研修を受講されたそうですね。感想をお聞かせください。

梅原氏:多くの学びや刺激があり、面白かったですね。自分のことだけではなく、部門や事業の動きも視野に入れて考えること、その上でメンバーの成長に意識を向ける姿勢を学ぶことができ、視座が上がりました。印象に残っているのは、講師の方が受講者に響くシンボリックな表現でお話しされていたことです。

例えば「この人はこういう強み・長所がある」と認識していくことを、「名札をつける」と表現されていて、それが受講者同士の共通言語になりました。

服部がお話ししたように、これまでは「背中を見せて育てる」文化でしたが、このような共通言語ができることにより、マネジメントが部下の個性や強みを引き出して活かす風土に変わっていけるのではないかと感じました。

受講者同士のつながりについては、いかがでしょうか?

梅原氏:さまざまな部署やグループ会社の人と一堂に会して話をすることで、お互いの事業や部門のリアルな姿を知る機会にもなりました。それに、社内の管理職同士でネットワークが広がることは、人事の仕事にもダイレクトに役立ちます。業務で悩んだ時に「この部門のことはあの人に聞こう」と、相談しやすくなりました。ひとつひとつは小さな動きかもしれませんが、組織間の垣根が低くなれば、やがて社内全体の活性化につながると期待しています。

カルチャーの変革という長期的な目標に向けて、パソナHRソリューションの協力が不可欠

続いて、パソナHRソリューションへの評価について伺います。まず、担当者についてはいかがでしたか?

服部氏:当社の事業や人事の課題を理解してくださっているので、困ったことは何でも相談できる相手として、とても頼りにしています。

研修内容も、こちらの要望をしっかりと把握した提案をしてくださるので、当初お願いしていたプログラムからどんどん増えています。現在も、新たな研修についてご相談をしているところです。

講師に対する評価はどうでしょうか。

服部氏:人を惹きつける力があり、とても頼もしい方です。研修内容も、単に知識を押し付けるのではなく、受講者の理解度や心の動きも計算して組み立てられていると感じます。何より、ご自身が楽しそうにプログラムを進めてくださるので、受講者としても面白く、身近に感じられるようです。

研修のクオリティについても評価をお聞かせください。

服部氏:非常に高いです。それがゆえに、研修を受講する中で課題が明確になりました。背中を見せて育てるマネジメントスタイルだったために、ビジョンを描いて仲間を巻き込んで進むこと、仮説を立てて答えを導き出す思考が弱いと感じました。また、技術については専門性が高いのですが、大局的に事業を捉えることは苦手です。そうした課題を、人事だけではなく本人たちも認識できたことが、研修のクオリティが高かったことの証だと思います。それに課題が明確になったことで、打ち手も探しやすくなりました。

パソナHRソリューションに対して、今後どのようなことを期待しますか?

梅原氏:非常に高い研修を実施して終わりではなく、PDCA をしっかり回していきたいと考えています。学んだことを現場でどう実践し、その結果何を得たのか。どんな課題を感じたか。先ほどお話しした講師の方の継続的なフォロー面談も活用しながら、パソナHRソリューションと一緒に施策を考えていきたいですね。その進捗を見ながら、ぜひ新しい提案をしていただきたいと思います。

服部氏:人事の仕事は、社内で完結しがちで、外部からの情報が入りにくいです。もちろん、新聞などメディアを見て情報収集はしているものの、リアルなトレンドの話や、他社の課題感には、なかなかリーチできません。たからこそ、さまざまなお客様とお付き合いのあるパソナHRソリューションから、新鮮な情報をいただけると非常に助かります。そうすることで、人事の力の底上げにつながるはずです。

今後の展望について、お聞かせください。

服部氏:世の中もビジネスも急速に変化する中で、当事者意識を強く持って挑むことができる人間を育てることが、当社の事業全体に共通する課題だと思います。これからますます優秀な人材の確保が難しくなる中で、果敢にチャレンジする人材を育成・確保するとともに、そのような人材が報われる文化を根付かせていくことが、人事としての使命です。

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